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小児科疾患について

現役小児科&ママさんナースが語る胃腸炎の子どもの看護のポイント

更新日:

こんにちは おなすです
暖かくなったり、寒くなったり、皆さんは体調崩されていないですか?

おなすは子どもが胃腸炎になってしまい、見事に家族全員に感染。
完全にアウトブレイクしてしまいました…(笑)←いやいや笑えない

家だとPPEもしないですもんね。反省です。
そんなこんなで、小児科疾患シリーズの胃腸炎を取り上げたいと思います。
※ここだけ押さえておけばOKな内容にしました

 

たかが下痢・されど下痢

下痢嘔吐って聞くと、大人だと水分とって安静にしてたら治るでしょって思われがちですが、子どもの場合は話が別です。子どもは脱水になりやすいので、注意が必要です。

脱水になりやすい原因として
①体内に水分が多く存在している
②新陳代謝が激しく、不感蒸泄量が多い
③腎臓での尿濃縮力が低く、排泄尿量が多い

と言われ、調子が悪くなると機嫌が悪くなり水分を摂りたがらなかったりすることもあり、子どもは容易に脱水になってしまうので、注意が必要です。

覚えていてほしい小児に代表的な胃腸炎

【ロタウイルス】

  • 保育園などで糞便を介して流行しやすい。
  • 特に小児ではロタウイルスは最も頻度が高く(半数以上)重症化しやすい
  • 好発年齢は2歳以下 潜伏期間は約2日
  • 1月~4月に多い(特に寒い時期)
  • 感染経路(経口感染・乾いた便や吐物からの空気感染)←以外と知られていませんが空気感染するんですよ!!恐ろしい!

【症状】

  • 約40%に酸臭下痢白色便
  • 激しい嘔吐(1日5~6回)、激しい下痢が特徴。3~8日程度で治まる。
  • 発熱は半日~1日で終わる場合が多い
  • 1日10回以上の白色水様性の下痢
  • 非胆汁性の嘔吐も多いため、脱水になり易い(胆管が収縮して胆汁が分泌され なくなるため白色便、非胆汁性嘔吐) 嘔吐は2日程度で消失する事が多い

☆ロタは小さい子に多く、白い便が出る と覚えてくださいね。

 

 

【ノロウイルス】

  • 嘔吐、下痢、発熱を主たる症状とし秋~年末に多い
  • 潜伏期間は24~48時間
  • 好発年齢:年長児や学童、成人にも感染する
  • 感染経路(経口感染・乾いた便や吐物からの空気感染
    a)家庭や共同生活施設などの接触感染。患者の糞便や嘔吐を処理する際の接触二次感染や便や吐物が乾燥したものを吸い込んだ事による感染
  • b)汚染された貝類を、生あるいは十分に加熱しないで食べた場合
  • c)調理に従事した人が感染しており、その手指を介して汚染された食品を食べた場合

【症状】

  • 突発的に起こることが多く、突然腹の底からこみ上げてくるような感触と吐き気を催し、我慢出来ずに吐いてしまうことが多i、 何度も激しい吐き気が起こり、吐くためにトイレのそばを離れられない程←本当に離れられません…(体験談)
  • 無理に横になろうとしても嘔気で横になれず、嘔気が治まった後は急激且つ激しい悪寒が続き、さらに発熱を伴うこともある。

※これらの症状は通常、1~2日で治癒し後遺症が残ることもないただし、免疫力の低下した老人や乳幼児では長引くことがあり死亡した例(吐いたものを喉に詰まらせることによる窒息、誤嚥性肺炎による死亡転帰)も報告されている。

☆ノロは貝からも感染し、年長児~成人に多く、吐き気や悪寒が特徴 と覚えてください。

他の主なウイルス『ノロウイルス』 『アデノウイルス』 『エンテロウイルス』

 

【細菌性腸炎】

  • に流行しやすい
  • 発熱、腹痛、嘔吐があり血便を伴う事が多く重症化する事もある
  • ※小児では腸重積の場合もイチゴジャム様の便が出る事があるため、見極める事が必要
  • 原因となる細菌
    サルモネラ:汚染された肉や卵、ミドリガメなどのペット⇒乳幼児や基礎疾患のある児は敗血症になる危険性がある
    カンピロバクター:汚染されたトリ肉
    O-157

☆細菌性胃腸炎は、夏に多く、血便が出る事がある 

♡♡次からは、子どもの嘔吐、脱水、下痢についてです♡♡
さくら

小児の嘔吐の特徴

  • 小児は・胃形成が不完全
  • 中枢神経の調節機能が未発達
  • 心理的影響をうけやすい

小児は嘔吐をおこしやすく、年齢による特徴も認められる。
しかし、なかには先天性の消化器疾患や中枢神経疾患、感染症の症状として現れることがあるので、全身状態や随伴症状に注意する必要があるため、緊急性を判断する事が大切

 

緊急性のある嘔吐

1)頻回な嘔吐
下痢を伴わない頻回な嘔吐の場合は器質的疾患や神経疾患に起因している可能性がある。重篤な疾患の初期症状かもしれないので神経症状などにも注意

2)吐物の異常
吐物の性状から通過障害の有無やその部位など器質的要因の存在を確認しながら、緊急性を判断するために吐物の性状を目視する事が大切

3)腹痛を伴う嘔吐
①持続的な腹痛:触診で腹膜刺激症状を確認すると腹膜に炎症 虫垂炎など
②間歇的な腹痛:激しく啼いた後すぐに泣きやむ、苺ジャム便 腸重積

4)髄膜刺激症状を伴う嘔吐
発熱、痙攣、頭痛、項部硬直などを伴う場合は生命に直結する場合が多い

5)意識障害を伴う嘔吐
意識障害は、意識レベルの低下だけでなく錯乱・混乱・不穏といった形でも現れる

 脱水の症状

  • 口唇、口腔粘膜の乾燥、口渇の有無
  • 体重の減少
  • 大泉門、眼窩陥没の有無←小児では必ず観察
  • 皮膚の弾力性の低下(ツルゴールの低下)
  • 尿量、尿性状
  • 随伴症状
  • 活気がなくなる、四肢の冷感
  • 重症になると意識障害、けいれん

小児の下痢の特徴

1回のみの柔らかい便は下痢とはされず、1日5~6回以上水様便が出るときは早めに救急外来を受診してもらう様に伝えます。

 

小児の特徴として 『原因が多彩』『脱水を起こしやすい』『長引きやすい』とされ、便の性状に個人差が大きく《下痢》の診断が難しいと言われています。

 

また、小児の下痢は、嘔吐や発熱を伴っていると脱水・代謝性アシドーシスになり易く、注意が必要です。

♡♡長くなってきましたが、残りは治療とホームケアです♡♡

胃腸炎の治療

脱水の予防と補液  食事療法  安静

  • 下痢や嘔吐の回数が少なく、脱水も強くない時は自宅での食事療法が大切になる(外来で点滴を行い帰宅する場合もある)
  • 利尿が付くまではカリウムが入っていない輸液(ソルデム1・ソリタT1など)⇒著しい脱水がある時は急性腎不全を合併し乏尿・無尿となり高カリウム血症を引き起こす。そのため排尿があるまではカリウムを含まない輸液を行う
  • 嘔吐や下痢などの症状が強い時は、入院して治療を行う
  • 嘔吐が頻回にある時は、回復してくるまで1~2日禁飲食(NPO)にすることがある。その際は点滴の量を増やし脱水を特に予防する
  • 細菌性の胃腸炎には抗生剤を使用することもある
  • 止痢剤(タンナルビン・アドソルビン・ロペミン)などは過剰に投与せず、便性の改善がみられたら早期に投与を中止する

 

医療者を介して他の児に感染させないこと

感染力が強いので、とにかく感染予防を徹底します‼︎
子どもは少し元気になってくると、動きたがったり、部屋から出たがったりしますので、児への説明や、そばにいるご家族の理解・協力が必要になってきます。

 

  • 胃腸炎の児は基本的に個室入院
  • 大部屋の場合はカーテン隔離を行う
  • 体温計や聴診器を胃腸炎の児専用にする(物品を介しての感染防止)
  • 児と接触する時はディスポのガウン、手袋、マスクを着用
  • ガウンや手袋は一回ずつ破棄
  • 次亜塩素酸を用いた環境整備
  • スタンダードプリコーション、PPEを徹底し、他児や自らへの感染を予防する
  • 便や嘔吐物を速やかに片付ける(嘔気の予防も兼ねる)
  • 胃腸炎で入院した児は基本的にポータブルトイレを使用(下痢が頻回でトイレまで歩行するのが困難、安静保持目的、便器を介しての他児へ感染することを予防)
  • 0.1%次亜塩素酸ナトリウムを染み込ませたペーパータオルでベッド周囲の環境整備を行う(次亜塩素酸ナトリウムは鉄を錆びさせるので、必ず水拭きを行う)

※便や吐物の処理方法をご家族にも説明し、感染予防を徹底します

幼少の児に補液する事が多いので、点滴の管理も重要です

点滴

 

家族へのホームケアの指導

  • 食事は胃腸に優しい、消化器に負担のない食事に変更する
  • 下痢嘔吐がひどい時は固形物は避け、水分摂取を少量ずつ頻回に(わからない家族もいるので、体重で割出して具体的に)与える
  • 母乳:母乳はそのまま続けて良いが、授乳を短時間で切り上げて回数を多くする。下痢が良くなってきたら欲しがるだけ与える。
  • ミルク:乳糖を含まないラクトレスなどの下痢治療乳に変更する
  • お尻が荒れない様に、1日に1回はお湯で洗う(毎回洗うと逆に荒れてしまう事も)
  • 感染予防についての説明:感染しやすい事や手洗いの徹底、次亜塩素酸の作り方⇒便や嘔吐に吹きかける事、洗濯の方法など(各保健所のHPなどに参考資料があります)※便がシーツに漏れるとそこから感染しやすかったり、洗濯物も大変なので、パンツ式オムツの上に大き目のテープ式オムツを重ねるなど、便が漏れない対処を伝えてあげて下さい。

早めに救急外来を受診してほしい症状

  • 繰り返し吐いてしまい、機嫌も悪くて水分を受け付けない時、 おしっこの量が少なくなり、半日以上オムツが濡れていない時、下痢が長引いていて、唇が乾燥しており、涙もでない時。
  • 便が白かったり、1日に6回以上の水様便血便が出た時 高熱を伴っていたり、強い腹痛がある時。
  •  下痢が回復してきたときは、食べ物を一度にたくさん与えずに、便の状態を見ながら少しずつ、過熱したうどんやお粥などから与える
  • 嘔吐のひどい時は1~2日であるから、ミルクをやめてイオン水や番茶に変えて脱水を予防する(入院中は輸液で管理)
  • ミルクは少量ずつ回数を多くする。濃度を(1/2~1/3に)薄めて与える。
  • 母乳はそのまま与えてOK(あまりに吐く時は、普段よりも授乳時間を短くしてこまめに与える)

参考文献:子どもの救急ってどんな時?上手なお医者さんのかかり方

以上、簡単ですが小児で覚えていてほしい胃腸炎疾患について書かせていただきました。
自分の子どもが嘔吐・下痢している姿って見ていて辛いものがありますし、かなりの確率で家族にも感染してしまう事が多いです。。。ご家族も体調が悪い時は、自宅で安静に過ごしてもらったりと配慮してあげて下さいね♡

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