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小児の看護のコツ 小児科疾患について 川崎病

今日から現場で使える!川崎病の看護のコツ(看護計画もあります)

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川崎病って特徴的な症状が沢山あって観察項目を覚えるのが大変だし、時期によって出現する症状も、起こるかもしれない合併症も違うし、熱が続いていたり、全身の症状があって機嫌も悪くて関わりが大変だし…。治療も特徴的で、ご家族に配慮も必要だし…。

特に学生さんなんかは、教科書や参考書だけだとイメージがつきにくいand覚えることが沢山ある、小児に特徴的な疾患ですよね。
そこで、現役小児科ナースが教科書には載っていない?(疾患や治療に関しては教科書・参考書を参照してください 笑)超超現場向きの情報をお伝えしていこうと思います。みなさんの日々の看護にお役に立てればうれしいです!!
※医師によって治療方法など違うと思いますので、皆さまの職場の方法に従ってくださいね!

川崎病の診断・症状

  • 5日以上の発熱(高熱)
  • 眼球、結膜の充血
  • 手掌、末梢紅斑や硬性浮腫(手足が赤く腫れます)
  • 口唇、口腔内発赤、いちご舌
  • 頸部リンパ節腫脹
  • 不定形発疹(体に形がバラバラな発疹ができます)

以上の6症状のうち、5症状以上が出現している事で診断がつきます
また、4症状でも心エコーで冠動脈病変が出現している時は診断がつきます。
4歳以下のお子さんに発症しやすく、0歳のお子さんも発症する事もあります。

他にBCGの跡が赤く腫れたり、下痢や関節の痛みが出る児もいます。

※医師の判断で異なりますが、だいたい発熱4~5日目で症状がそろっている時は、入院となって治療が開始されます。症状が乏しくはっきりしない時は解熱剤を使用せずに熱の経過を見ることもあります

 

原因・合併症

現時点では、原因は不明と言われていますが、感染説と非感染説があります。
一番怖い合併症は【冠動脈瘤】で1割程度の患児にみられます。発症後14日~21日頃に発生のリスクが高くなります。

冠動脈の血管壁に強い炎症が起きると、血圧に耐えられなくなり血管が広がって瘤(こぶ)ができることがあります。

将来、血管が狭くなったり血栓(血の塊)で血管が詰まったりして、狭心症や心筋梗塞を起こす危険性が高くなります。

川崎病で亡くなる患児は0.01%ととても低い確率となっています。

 

検査・治療

【検査】
採血:一般的なデータと炎症反応や凝固系などをチェックします。
心電図、心エコー、レントゲンなど。

☆看護のコツ☆
心エコーは外来~入院中に何度も行います。通常は痛みを伴わない検査ですが、痛いと嫌がる児もいます。児によっては「怖い≒痛い」になっていたり、暗い環境が怖かったり、ジェルを痛いと感じている事もあります。

「痛い」と嫌がったら「痛くないよ」と全否定せずに、まずは訴えを共感し、間違った記憶・情報は、その児にわかる言葉で正してあげて下さいね。
そして、可能であれば母親に同席してもらったり、DVDを見たり、その児が頑張れる体制を整えてあげて下さい。

 

【治療】
抗炎症作用を期待し、合併症の予防に対し、血液製剤である免疫グロブリン(献血ヴェノグロブリン、献血グロベニン、献血ポリグロビン など)を(発症7日以内が良いとされています)投与します。
→血液製剤のため、必ずご家族の同意をとってから始めます。投与直後は、ショックやアレルギーが起こらないかナースステーションから近い部屋で、モニター管理下のもと頻回にバイタルサインを観察します。

 

初期では抗炎症作用・後期では血液をサラサラにするのを目的(量が変わります)として、アスピリンやフロベンを数か月にわたって長期に内服します。(肝機能が低下している児はフロベンを使用します)
→アスピリンは苦みがあり、溶けにくく(シリンジも詰まってしまいます)なかなか飲みづらいお薬なので、薬剤師やご家族と協力しながら、摂取できる方法を考えていきましょう。
チョコレートアイスなどに混ぜると服用し易いです。また、急性期を脱すると1日1回の服用になる事が多いので、その旨をご家族に伝えて、一緒に頑張っていきましょう。

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川崎病の看護

看護診断を立てる際には、急性期の症状や合併症などの異常の早期発見という視点と、川崎病の症状によって生じている児の苦痛の緩和という視点で立案していきます。

【O-P】

  • 川崎病の症状
  • バイタルサイン
  • 合併症の症状出現の有無
  • 心電図モニター・心エコー
  • 検査結果
  • 機嫌←小児では元気のバロメーターになるのでとても大切です
  • 活気、日中の活動状況
  • 睡眠状態
  • 食欲(口唇症状による食欲の低下)

【TーP】

  • 発熱時は、衣服や掛物、室温を調整し、児の希望に応じてクーリングで対応する。機嫌が悪くぐったりしている時は、医師と相談して解熱剤の使用を検討する。
  • 口腔内所見や口唇の亀裂、高熱などで食事が進まない時は、刺激物を除去した食事など、食事内容の変更を行ったり、ゼリー、プリンやアイスなど、児が食べやすいものを摂取できる様に調整する。
  • 口唇亀裂に対してワセリン(プロペト)やリップクリームなどで保湿を行う。
  • 不定形発疹が出現している時は、衣服は緩めの肌に優しい素材ものを選択し、皮膚の刺激にならない様にする。(大きいボタンや飾りなど皮膚の刺激となるものは避ける)
  • 発疹でのかゆみが出現している時は、クーリングや薬剤塗布など、児の好みに合わせた方法を医師と相談しながら提供する。
  • 硬性浮腫が出現している時は、締め付けの強い靴下やシーネ固定(点滴の固定)は避け、皮膚に付着するテープは優しいものを使用し、皮膚に付着する面は最小限の範囲にとどめる。
  • 頸部リンパ節の腫脹に対し、小さめのアイスノンなどで冷やしたり、枕の高さを調節したり、安楽な体位を児と調整しながら提供する。
  • 膜様落屑が出現した時は、回復傾向にある事を伝え、無理に皮膚を向かない様に伝え、手足の清潔に努める。
  • 安静や治療に支障のない範囲で、児の気分転換を図れるような、遊びなどを提供する。

【E―P】

  • 児や付き添っている家族に、何か体調に変化があった時は、すぐにスタッフに伝えるように説明する。
  • 現在出現している症状や、起こるかもしれない合併症、今後の経過(回復過程での膜様落屑)についてや、それに伴う治療や検査、安静の必要性などを、ご家族や児の年齢に応じてわかりやすい言葉で説明する。
  • 退院後の生活や服薬・予防接種に関して家族に指導を行う。

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川崎病と診断された児の家族について

川崎病の症状として、眼球充血や不定形発疹、手足の浮腫など、目に見えて身体に変化が起こる症状がある事や、高熱も続いて子どもの機嫌が悪いので、受診前から「変な病気だったらどうしよう」と不安を抱えています

 

そこで川崎病と診断されると…
「川崎病?聞いた事がない病気だし、原因が不明だって言うし…血液製剤って何?どんなリスクがあるの?…それに、心臓に何かが起こるかもしれないって…この子の将来はどうなっちゃうんだろう…。」
などと、多くのご家族がショックと混乱の中で、血液製剤の使用の選択を迫られたり、機嫌が悪く、高熱でぐったりしているわが子の看病に追われたり…なかなか気持ちが整理できていない家族も多いです。

 

また、【原因不明】という事から、「私の○○が悪かったのでは…」と、自責の念を抱くお母さんもいるため、ご家族が医師からの説明をどう受け止めたのか、疾患や治療を正しく理解できているのか、必要以上に自責の念を抱いていないかなどを、日々の会話や児への接し方などから観察し、必要時は治療に関して医師に薬剤に関しては薬剤師に説明を依頼したり、メンタルフォローなどの介入の必要があります。

 

入院期間も1週間程度はかかりますので、児の状態や治療の妨げとならない様に、児と家族の気分転換が図れるように、遊び可能な活動範囲を提示してあげたり、付き添っているご家族には、ケアの際に休息してもらったりと、配慮が必要になってきます。

 

退院指導に関して

指導を行うタイミングとしては、症状が回復し、児も家族も落ち着いている時が良いと思いますが、「この子は皆と同じように生活できないの?」など、今後の生活にとても強い不安を抱いている場合は、家族の状況をみながら急性期に行うこともあります。

内容としては、

  • 合併症を起こさないために、定期的な受診と確実な内服の必要性について。
  • 血液製剤を使用した場合の予防接種に関して。(☆血液製剤使用後は生ワクチンを6か月接種できないといわれています。その児の年齢に応じて、スケジュールを確認しながら、6か月以内に接種すべき生ワクチンのものがあるのか一緒に確認してあげて下さい。不活化ワクチンは3か月から良いという医師もいますので、主治医に相談してくださいね)
  • 症状が再発してしまった場合に受診をしてほしい事(☆一般の方は言葉で言われてもイメージがつきにくいので、必ず症状のイラストか写真付きで)
  • 他の病院を受診する時は、川崎病に罹ったこと、血液製剤を使用した事、何を内服しているのかを伝え伝えてほしい事。(アスピリンを内服している児がインフルエンザや水痘にかかると重症化する場合があります
  • 入院前と同じ日常生活を送る事ができるが、体調の変化を観察してもらい、アスピリンを内服している時は鼻血やケガに留意してほしい。(☆保育園や幼稚園でも注意してもらい、あまりにもとならない時は受診を進めてください)

今回は川崎病の看護についてお伝えしました。
国家試験でも取り上げられる事もあり、学生さんは教科書だけではイメージがつきにきくいと思いますので、実習中にお子さんが入院していたら、指導者さんに確認して観察などさせてもらえるように声をかけてみてくださいね♡
冒頭にも書きましたが、その病院での治療法や使用する薬剤も変わってくると思いますので、ご自身の職場での方法をよく確認しながら、看護を提供してくださいね。
お役に立てれば幸いです☆
他にも胃腸炎熱性けいれんについても書いています~♪

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